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レアアースについて その3 [科学系よもやま話<レアアース,レアメタル>]

レアアースに関する話題も3回目です。今回は、ちょっと話が逸れますが、前回お話した日本でもレアアースの含有率が高い鉱床があるという話について、もう少しご紹介します。

一般的には、日本は鉱物資源に乏しいとされます。でも、よくよく考えてみると日本って資源大国と言えなくも無いんです。

といっても、最近流行の都市鉱山とか海底資源の話ではありません。勿論、電子機器類の廃棄物をリサイクルするという都市鉱山の観点でも、海洋資源として海底の熱水鉱床を多数有するという点でも資源豊富な国であると言えますが、もっと素直に鉱山から産出するという点での鉱物資源だって、十分豊富な国なんです。

嘘だ~と言われそうですが、鉱物好きの立場から言わせて貰えば、日本で産出する鉱物は約1100種類。対して、全世界で天然に産出される鉱物は4000種余りと言われていますから、いかに鉱物資源が豊富か分かるというものです。
 
しかし一方で、かつては多数の鉱山が稼働していた日本ですが、現在採掘を行なっている鉱山は菱刈金山だけになっています。それは何故でしょう?

理由は簡単。日本には、採算が取れる鉱床が乏しいのです。

採算が取れるには、露天掘りなどの低コストで採掘ができ、埋蔵量が見込まれ、人件費が安いなどの要因が絡むのですが、今の日本では鉱山を運営するには、余程良質でない限り、採算ベースに乗せるのが難しいんです。産状も少量多品種って感じで、オーストラリアみたいにドカッと鉄鉱床が広がる訳でも無いですし・・・。

特に人件費は高い。鉱物資源を輸出する国の人件費と比べると、比較になりません。更に、国内で鉱山を稼働させる場合、かつての塵肺訴訟などの結果、労働者の権利が守られるようになりました。それは、間違いなく素晴らしい事だと思いますが、その結果、健康被害を出さないよう、生命の危険を減らすように、そして何かあった場合の保証を担保する事による費用は莫大な物になりました。
排水の規制だって厳しく、垂れ流しなんてもってのほかです。鉱山下流域での健康被害なんて許されませんよね。

で、結果として国内での採掘は採算が取れなくなり、閉山されていったんです。資源の枯渇も理由にありますが、これだって、採算が取れる場所にある資源の枯渇って意味ですし・・・。

このように、実は資源が無いわけじゃない日本、では何故輸入に頼るかと言えば、多くの場合は安いから。安い理由には、オーストラリアの鉄鉱石のように、とんでもない規模の露天掘りでの採掘している場合もあります。しかし、その一方で、日本から見たら、考えられない劣悪な環境で、且つ低賃金で無く働く労働者によって採掘され、排水も十分に処理されないまま下流地域を汚染している結果の安価である場合もあるという事は忘れてはいけないと思います。
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タグ:レアアース
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北海道大好き人間

この話、他の工業製品とかでもそうですね。
中国を筆頭に韓国・台湾・インドネシア等、東アジア&東南アジアで製造されたものがいっぱいあります。
by 北海道大好き人間 (2010-10-09 15:30) 

アヨアン・イゴカー

>低賃金で無く働く労働者によって採掘され、排水も十分に処理されないまま下流地域を汚染している結果の安価である場合これは、世界の経済優先は、このようなところに常に皺寄せがありますね。臭いものには蓋をするのではなく、最初からこういう部分を経費として、人権尊重、自然保護の観点からも、十分に考慮してゆくべきですね。
by アヨアン・イゴカー (2010-10-10 10:01) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
最近は、安い労働力を求めて、製造業、特に部品産業までもが海外へ工場を移転していますよね。
実際、私の周りでも海外赴任する人が増えていて、既に国内産業の振興という意味では政治は遅きに失している感さえ受けます。
by optimist (2010-10-12 22:25) 

optimist

アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
>最初からこういう部分を経費として・・・
いわゆるフェアトレードという概念ですよね。実際には、まだまだコスト優先の経済観念が支配的で、なかなか難しいようですが、私は諸問題の根本解決には、必須だと考えています。
by optimist (2010-10-12 22:27) 

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