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レアアースについて その4 [科学系よもやま話<レアアース,レアメタル>]

レアアースに関する話題も4回目です。今回は、少しアプローチを変えてみます。鉱山からの供給を考える以外の方法です。

前回、言葉だけはでてきた都市鉱山の活用です。都市鉱山とは、国内の廃棄された電子機器を鉱石に見立て、そこから資源を取り出して再利用するというものです。これは希土類(レアアース)に限らず、レアメタル全般で有効な方法です。
独立行政法人物質・材料研究機構資料などによれば、日本国内の資源量は世界有数の規模。これまでに世界中からかき集めた資産なのですから、是非活用したいものです。循環型社会とか環境負荷低減社会の構築という考えにも合致していますしね。

しかしながら、このようなリサイクルを実現には、まだまだ解決しなければならない課題があります。まずレアメタルやレアアースが回収される経路が無いし、関連法規も整備されていません。

更に、回収したとしても、レアアースを安価に抽出する技術が確立されていないんです。これは、これまでご紹介した、イオン吸着鉱床以外の、酸化鉄型鉱床、カーボナタイト型鉱床や、アルカリ岩型鉱床などから安価に抽出する方法が確立していないのと同じで、都市鉱山も採算ベースに乗せるのが難しいのです。

この採算ベースというのが厄介です。お題目として、循環型社会だ環境負荷低減社会だと言っても、経済的に成り立たないと、結局実現しないのが現実です。わざわざ高い金を払ってリサイクルするより、安価な方(新たに鉱山から生産される資源)を使ってしまうのは、法律で制限でもしない限り止められません。

また、都市鉱山からの安価な抽出技術が確立された場合、イオン吸着鉱床以外からの安価な抽出技術も同示に開発されるでしょう。その場合は、更に競合する供給源ができるわけで、なかなかハードルが高いんです。
 
ところで、採算を問題にする場合、いつも思うことがあります。前回、日本で鉱山運営が成り立ちにくい理由でお話した時にも触れましたが、結局不当に買い叩いている側面は否定できないと思うんです。
だって、突き詰めると、自分達でやると高くつくから、安くやってくれる人に頼んでるんですから。本来、採掘という仕事に日本人がかけるコストと同じ金額を輸入する材料に対し支払っているなら、自国内でのリサイクルだって採算に乗るはずです。

でも、実際は新しく生産する方が安い。何故なら鉱石の採掘が安価で出来るから・・・。では、その安価を担保しているのは何でしょう?こういう事を考えると、今の世界が一部の富める者が、貧しい物から搾取しているという図式を実感できます。
我々庶民が、「所詮金持ちが有利な世の中だよね」なんて被害者面している一方で、経済的に困窮している国々から搾取しているのに気が付いていない。なんだか矛盾ですよね。これは、鉱物資源だけに限りません。食糧も同様です。

だから、何とかしなきゃ駄目だ!なんて言う気はありません。自分自身、矛盾を感じつつも、今の生活を手放せませんから。それに、一朝一夕に解決できる話でもありませんしね。
ただ、レアアースの供給を制限されたと憤るだけでなく、その根底にどんな問題があるのかは知る事は必要だと思います。



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コメント 4

アヨアン・イゴカー

>レアアースの供給を制限されたと憤るだけでなく、その根底にどんな問題があるのかは知る事は必要
同感です。
by アヨアン・イゴカー (2010-10-10 10:04) 

北海道大好き人間

結局は「採算性(コスト)の問題」なんですよね。
家電製品も、製造打ち切りから6~8年間は部品を保有していますが、実際にはその期間に故障することは少なく、いざ故障となっても部品切れで買い換えた方が安いということはざらにあります。

あと、来年7月にテレビの地上波が「強制的に」デジタル化されますが、それに伴って、今までのアナログテレビが大量に不法投棄されると思います。
あの中にだって、レアアースに匹敵する資源が含まれていそうな気がしますが。

TB元の記事を読みましたが、外貨を稼ぐためには手段を選ばないという感じですね。
by 北海道大好き人間 (2010-10-10 16:30) 

optimist

アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
私も全部を知っているなんて、おこがましい考えを主張する気はありませんが、何事も色々な側面を知る事は大事だと思います。
知らないまま批判したり、無批判に使用する事の罪は、結構重いんじゃないかな?
by optimist (2010-10-12 22:29) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
>TB元の記事を読みましたが、外貨を稼ぐためには・・・
実際には、貧しい国は、自国の経済を発展させるために、必至という面はあると思います。しかし、今まで発展した国をただ真似るだけでは、負の側面もあるし、そもそも既に発展している国を追い抜く事は出来ないでしょう。
これまた、難しい問題だと思いますが、なんとか上手く行く方法は無いのだろうかと、考えてしまいます。
by optimist (2010-10-12 22:32) 

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