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カロリー制限で、サーチュイン長寿遺伝子は活性化されるのか? [科学系よもやま話]

最近、なにかと話題のSirtuin遺伝子に関する論文がニュースになっていました。
Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study(リンク)』(doi:10.1038/nature11432
nia_monkeys.jpg
Credit:National Institute on Aging
※写真は、27歳の雄アカゲザル。左が、カロリー制限をした個体。

Sirtuin(サーチュイン)は、2000年に酵母から発見されたというタンパク質なのですが、寿命を延ばすという報告が多数科学誌に掲載されています。その一方で、それを否定する論文も、いくつも発表されているんです。

例えば、サーチュインを投与すると寿命が最大で50%延びる可能性が、ミミズやミバエを使った実験で報告されています。
また、今年に入っても、「サーチュイン遺伝子」を活性化することで、マウスが約15%長生きするという研究結果が、英学術誌Natureで発表されています。
The sirtuin SIRT6 regulates lifespan in male mice(リンク)』(Nature 483,218–221 doi:10.1038/nature10815

昨年、NHKでも『あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子~(リンク)』などの特番が組まれていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

サーチュイン遺伝子を活性化させることが不老長寿の鍵だと言われるのですが、よく引用されるのが、米ウィスコンシン国立霊長類研究センター(WNPRC:Wisconsin National Primate Research Center)の研究です。アカゲザル約80頭を使って20年にわたってカロリー摂取制限の実験を行なってきた結果30%のカロリー制限を受けてきたグループは、そうでないグループに比べ、体毛はフサフサで肌にも張りとツヤがあり、若々しさに溢れているという物です。
Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys(リンク)』(Doi: 10.1126/science.1173635

 
前置きが長くなりました。
で、これだけ注目されているカロリー制限すると、寿命が延び老化防止効果もあるというのは本当か?という議論に対し、否定的な見解を示したのが今回の米国立老化研究所(NIA:National Institute on Aging)の報告なんです。

とはいえ、全く同じ条件で比較実験を行った結果ではないので、WNPRCとNIAのどちらの実験結果も誤りではないという事もあるようです。

今回のNIAの報告では、低カロリー食のグループと比較された普通食グループの食事は、人間の理想的な食事習慣を模して決まった量の餌だけを与えていたそうです。これに対し、WNPRCの実験では、普通食グループは、自分で好きなときに好きなだけ餌を食べられるようにしていたのだとか。

つまり、好きなだけ自由に食事をしていると、やはり老化が早く寿命が短いという可能性があるわけです。
何時までも若々しく、元気に長生きという人類の理想ともいえるこのテーマ、今後も注目されるのは間違いないでしょう。
今後の研究成果に、要注目ですね。



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コメント 2

北海道大好き人間

不老長寿が果たしていいのかどうか、意見が分かれるところですね。
それよりも認知症の進行を遅らせる方がより大事な気もします。

by 北海道大好き人間 (2012-09-16 17:49) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
認知症についても、日々研究が進んでいるので、今後どうなるか注目だと思います。
ただ、肉体的な不老不死が現実的になると、今度は精神的な面が取りざたされるのは自明なような気がしますね。
by optimist (2012-09-16 23:06) 

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